• 候補者アンケートの結果を公表します

    立候補者1504人を対象に「あなたは政治家として何を実現しますか」と題したアンケートを行い、789人からご回答いただきました。その結果を公表します。 Read More
  • 政権実績評価
    公開中

    2012年民主党政権の実績評価の評価基準について.
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2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(原発・エネルギー)


※各党の評価結果詳細は上記表をクリックしてください。

 

【 評価の視点 】

 エネルギー問題を考える際には、どのような政策を採用するにしても、その影響が広く大きくかつ長期に及び、また、プラス面とマイナス面がともに存在するため、その全体像がわかりにくい。有権者に対して、政策の直接的効果のみならず、波及的効果、副作用、コスト負担も含めて政策の実現可能性についてわかりやすく説明しているかどうかを確認する。
原発問題に関して、各政党のマニフェストには、例えば時期に関して見ても、いつまでに脱原発、卒原発、あるいは自民党の場合は10年間かけてその後でベストミックスを考える、など様々な違いがある。ただ、原子力リスクは多くの国民が感じており、中長期的には脱原子力依存は避けられない。そこで、それを実現するために、どのような政策体系があるのかを見ていく。その際、単に時期やスローガンを競うのではない、冷静な議論によって脱原子力依存への道筋を示している政策かどうかしっかり吟味する必要がある。例えば、現在の電力の供給体制、あるいは原発推進体制を作ってきた構造を変えていくということにおいて、発電と送電を分離する発送電分離をどうするか、電力会社が色々なコストを積み上げて、それに対して利潤を上乗せできるといった料金体系、いわゆる総括原価方式をどうするか、それから、現在の9電力体制、あるいは10電力体制といわれる地域独占体制から脱し、新しい再生可能エネルギーを導入する企業などが参画できるような電力自由化を如何にして進めるか、など様々な政策的な課題にどう対応していくのかを確認する。
当面の課題としては、現在稼働が停止されている原発を再稼働するべきかどうか、再稼働するとすれば、どういった条件を満たして、どういった手続きを経て再稼働するか、その具体的手順を明らかにしているかどうかが重要である。
個別の問題としては、いわゆる核燃料サイクル、放射性廃棄物や使用済み核燃料をどのように扱って処理していくかという問題などに答えられているかどうかも大きいし、さらに、再生可能エネルギーを拡大することは各党とも主張しているが、それを具体的にどういう形で拡大するか、その際のコスト負担をどうするか、などをきちんと示しているかどうかも評価のポイントになる。

 一方、環境問題とりわけ地球温暖化対策も重要課題である。地球温暖化対策については、COP18(気候変動枠組み条約に関する第18回締約国会議)において、2020年以降の国際的な枠組みについて議論がなされている。日本は、民主党政権が発足した鳩山首相当時に条件付きではあるが、「2020年までに1990年と比べて25%の温室効果ガスを削減する」ということを国際的に約束している。この約束は、実はまだ国際的には取り下げていない。しかし、もともとの「25%削減」という目標は、原子力を大幅に拡大するということを前提とした計画であった。したがって、現在、原子力発電が稼働を停止しているという状況のもと、あるいは、これから徐々に脱原発していくという中で、いかにして国際的に求められている温室効果ガス削減を具体的にしていくかということを、この選挙でも明らかにしていく必要がある。
 そのため、例えば省エネルギーを進め、再生可能エネルギーを拡大し、一方で化石燃料の輸入による負担を吸収しながら、気候変動問題にどのように取り組んでいくかという視点も非常に重要である。

【 マニフェストをどう読むか/松下和夫氏(京都大学大学院地球環境学堂教授)】

 原発問題に関して、各政党が、いつまでに脱原発、卒原発、あるいは自民党の場合は10年間かけてその後でベストミックスを考える、といういろいろな形で、公約なりマニフェストを出しています。ただ、私としては、いつ脱原発するかという時期もさることながら、どういった政策を導入するかを具体的に明らかにして議論していくことが大切であると考えています。

⇒テキストはこちら

【 私も発言する/山地憲治氏(地球環境産業技術研究機構〔RITE〕研究所長)】

 争点にしなければいけないということであれば、エネルギー政策の目標をきちんと掲げること。日本は国内資源が乏しいわけですから、「安定的にエネルギー供給を確保すること」(Energy Security)、それから、「経済的に効率的でなければいけない、あるいは経済成長に寄与する」(Economy)そして、「温暖化対策」(Environment)です。

⇒テキストはこちら

【 <座談会>次の選挙で問われるエネルギー政策とは】

【出演者】
工藤拓毅 氏(日本エネルギー経済研究所研究理事)
藤波匠 氏(日本総合研究所調査部主任研究員)
藤野純一 氏(国立環境研究所主任研究員)

【司会者】
工藤泰志(言論NPO代表)

【座談会】次の選挙で問われるエネルギー政策とは
⇒テキストはこちら

候補者アンケート「あなたは政治家として何を実現しますか」結果公表

2012年衆議院選挙 立候補者アンケート

現在、政党政治への不信感が募り、有権者がどの政党を選べばよいのか判断できなくなっています。そうした中で、候補者の皆様がどのような課題認識を持ち、いかなる政策に取り組もうとしているのか。1500人の立候補者全員にアンケートを送付し、789名の方からご回答いただきました。その結果を、各選挙区別、比例別(比例単立候補者)に公開いたします。下記の日本地図から、ご自身の選挙区を選択してください。

⇒実施したアンケートはこちら

  北海道
 
        青森  
      秋田 岩手
      山形 宮城
石川 富山 新潟 福島
長崎 佐賀 福岡   山口 島根 鳥取 兵庫 京都 滋賀 福井 長野 群馬 栃木 茨城  
  熊本 大分   広島 岡山 大阪 奈良 岐阜 山梨 埼玉 千葉
  鹿児島 宮崎           和歌山 三重 愛知 静岡 神奈川 東京
          愛媛 香川
沖縄         高知 徳島



比例区のアンケート結果はこちら

100706_00.jpg北海道ブロック / 東北ブロック / 北関東ブロック
南関東ブロック / 東京ブロック / 北陸信越ブロック
東海ブロック / 近畿ブロック / 中国ブロック
四国ブロック / 九州ブロック

マニフェスト評価で一番伝えたいメッセージとは

 メディアに取り上げられること自体はうれしいことなのですが、取り上げられ方には納得がいっていません。結果として点数はつくのですが、それよりもこの評価書に書いてある一番伝えたいメッセージは、国民との約束を軸にした政治をどうしても取り戻さなければいけない。そのためにも、自分たちでマニフェスト、公約を手にとって、それを自分たちで評価するための手法を、きちんと伝えているわけです。

⇒つづきはこちら

【第4回】 マニフェスト評価を通じて見えてきたこと
【第3回】 マニフェストをいかに読み解くか
【第2回】 今回の選挙を「有権者主体の政治」の実現に向けたスタートに

【第1回】 有権者から政治にマニフェスト逆提案を

民主党政権3年の実績評価

  2009年衆院選
マニフェスト
言論NPO実績評価 理由・備考

原則1

官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ 実現できず 「国会改革関連法案」を撤回。
原則2 政府と与党を使い分ける二元体制から、内閣の下の政策決定に一元化へ 実現できず 党の政策調査会の復活、事前承認制の導入など、政府一元化を断念。
原則3 各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ 実現できず 「政治主導確立法案」を取り下げ。国家ビジョンを策定する仕組みを作れず。
原則4 タテ型の利権社会から、ヨコ型の絆(きずな)の社会へ 道筋見えず 「新しい公共」を提案。しかし、強い市民社会への道筋は示されず。認定NPO法人の要件緩和もほとんど効果見えず。
原則5 中央集権から、地域主権へ 道筋見えず 地域主権の全体像を描けず。「出先機関廃止法案」は先送り。

その他、詳細な項目については、こちらをご覧ください

2012年民主党政権実績評価の評価基準については、こちらからご覧ください

主要5政党の分野別マニフェスト評価

121210_05
社会保障 経済政策 農業 原発・エネルギー 財政再建 市民社会 震災復興 教育 外交・安全保障 一票の格差などの政治改革 地方分権

※配点は、形式要件に40点、実質要件に60点となっています。
※マニフェスト評価の詳細は、上記分野をクリックしてください。

⇒2012年マニフェスト評価 総論はこちらからご覧ください

⇒2012年マニフェスト評価基準はこちらからご覧ください

日本の政党は国民に本気で向かい合っているか

 
 政党
公約集から見る
"本気度"
公約集の中味から見る
"本気度"


公約自体の"本気度"
※数値目標、達成時期、財源を明記した公約の割合※1
約束度
※2
ガバナンス度 ※3
絞り込み度 ※4
課題への誠実度※5
正直度
※6
 民主党
11 12.3%
 自民党
11
11.0%
 公明党
22.6%
 未来の党
10.8%
 維新の会
10.4%
 日本共産党
20.9%
 みんなの党
9.0%
 社会民主党
7.9%
 新党大地
15.8%
10
 国民新党
11.9%
11
 新党改革
2.9%
12
 新党日本
0.0%


※1.公約自体の本気度(%):各政党のマニフェストの公約のうち、数値目標または達成時期、財源のうち一つでも明記されている公約の数をマニフェストの全ての公約の数で除したもの。
※2.約束度:マニフェストの表紙に、「マニフェスト」あるいは「国民との約束」と書かれているものは3点、そうではなく単なる「約束」と書かれているものは1点、約束に関する表現がないものは0点。
※3.ガバナンス度:マニフェストに党首1人の顔が掲載されていれば3点、そうでなければ0点。
※4.絞り込み度:重点項目について、0~5個が2点、6~10個が1点、11個以上が0点。
※5.課題への誠実度:言論NPOの有識者アンケートから抽出した6つの課題(財政再建、経済の成長戦略、社会保障制度改革、エネルギー政策、外交・安全保障、民主主義の制度改革)に関してマニフェストで積極的に取り組む姿勢がどの程度見られるかによって0~2点を配点。
※6.正直度:消費税引き上げに関する記載があれば2点、消費税の記載がなく、それに相当する負担を公約として記載していれば1点、負担に関する記載がない場合は0点。

マニフェストをどう読むか

経済政策について 医療政策について 社会保障政策について
小峰隆夫氏
(法政大学大学院政策創造研究科教授)
上 昌広氏
(東京大学医科学研究所特任教授)
西沢和彦氏
(日本総研上席主任研究員)

市民社会政策について エネルギー・環境政策について 農業政策について
田中弥生氏
(大学評価・学位授与機構准教授、日本NPO学会会長)
松下和夫氏
(京都大学大学院地球環境学堂教授)
生源寺眞一氏
(名古屋大学大学院生命農学研究科教授)