※各党の評価結果詳細は上記表をクリックしてください。
【 評価の視点 】
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農業政策について、政治に問われている課題は、10年後の水田農業をどうするのか、その展望を示すことである。
中長期的なビジョンを描く際に考えなければならないことは、農業の担い手の問題である。高齢者によって担われている日本の営農の世界において、若い世代の担い手をいかに確保、育成していくかということがまず喫緊の課題である。日本の農業を持続可能なもの、さらに産業として自立させていくためには、いまある担い手の農家の支援に加えて、明日の農業を担っていく新たな担い手の確保、育成が必要である。
この担い手をめぐっては、小規模兼業農家の保護も図っていた鳩山政権とは異なり、野田政権では平地で20~30ha、中山間地域で10~20haの規模の経営体が大宗を占める農業構造へと転換し、農家の競争力と体質を強化する路線を検討するなど、農政の方針が実質的に揺れている。10年後を見据え、意欲さえあれば小規模・兼業でもすべての担い手が従事できるような農業にするのか、それとも農地を集積した強い担い手による持続可能な農業にするのか、はっきりした方向性を示すことが政治に求められている。ただ、どちらを目指すにしてもその選択した方向性と整合性のある政策体系の構築が求められる。
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【 マニフェストをどう読むか/生源寺眞一氏(名古屋大学大学院生命農学研究科教授) 】
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前回の総選挙、あるいは参議院選挙の時にも、マニフェストの評価、あるいはどんな切り口で考えたらいいかということについて議論をしてまいりました。
前回の総選挙ですが、農業者戸別所得補償を前面に出して押しまくる民主党と防戦一方の自民党、という形だったわけですけれども、いずれにせよ農業政策が一つの焦点になったことは間違いないかと思います。ただ、今回は、TPP交渉参加の問題がある意味では前面に出ていることもあって、農業政策そのものは、後景に退いているというか、やや議論が低調な印象もあります。
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