2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(自民党・農業)

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■形式要件についての評価(15点/40点)  

 農林水産業については、40項目にわたってかなり広範なテーマについての具体的な記述がなされている。その冒頭では、「地域社会の核である農山漁村を守るために、構造改革を進めながら、農林水産業の高付加価値化及び農商工連携を図って、競争力ある「攻めの農林水産業」を展開」することであり、政策全体の根底にある理念や目的は明確になっている。しかし、達成時期は全くないし、財源についても言及はない。政策手段としては、「攻めの農林水産業」を進めるための基盤整備として、「日本型直接支払い」や「担い手総合支援法」、「全国的な品目別の輸出振興組織の設立」を提示している。

 

 

■実質要件についての評価(23点/30点)

 民主党マニフェストと比較し、農林水産業に関する政策全般について網羅性があり、自民党としてのある程度の政策の継続性がみられる。ただ、その中でのプライオリティは明確ではなく、体系性は乏しい。また、競争力ある攻めの農林水産業を掲げているが、それを担うべき強い担い手をどう育成するのか、という点については、担い手への農地集積の加速化を図る「平成の農地改革」という抽象的なスローガンを掲げるにとどまっている。さらに、担い手の高齢化から、10年後の水田農業が危ぶまれているが、新規就農支援に触れている「担い手総合支援新法」の箇所でもそういった問題意識は見せておらず、課題をきちんと認識しているのか疑問である。
 「経営所得安定制度」については、その対象は明確な表現が行われているわけではないが、全国一律ではなく、地域の自主的な努力を踏まえるとしているため、戸別所得補償の対象を集落営農を含めた一定以上の規模の担い手にアクセントを置くニュアンスは感じられる。また、「海外へ積極的に売り込むため、全国的な品目別の輸出振興組織を設立」など国際的な視点もあり、積極的に攻めの農業を実現しようとする姿勢は評価できる。ただし、これらの点についての財源の手当てには言及していない。
 戸別所得補償について今回は真正面からの論争を避けている。

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