2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(日本維新の会・農業)

  hyouka_2.jpg

■形式要件についての評価(8点/40点)  

 「農業の成長産業化」という目的を掲げているが、それを実現するための具体的な目標はないし、達成時期も全くない。財源についても言及はない。戸別所得補償制度の見直しや、農協改革、農業版RCC(整理回収機構)などいくつか政策手段は提示している。

 

 

■実質要件についての評価(15点/30点)

 現代日本の農政における根源的な課題としては、方針が二転三転する結果、現場の戸惑いや負担が増大していることがある。例えば、鳩山政権下の小規模兼業農家保護と菅・野田政権下における競争力重視路線との間の農政の方針揺れ動いている。その点、戸別所得補償制度に関して、「適用対象を専業農家」に限定し、競争力重視路線への移行方針を明確に示している点は評価できる。
 一方、成長産業化を掲げているにもかかわらず、そのための政策メニューは提示していない。例えば、自由貿易圏を拡大するためにTPPへの交渉参加を打ち出しているにもかかわらず、それを見据えた戦略を示していない。
さらに、次代の担い手をどう呼び込むのか、という現代農政最大の課題についても触れられていない。
 農業版RCCに関していえば、既存の様々なセーフティーネットとの関係をどう考えるのか、など制度設計を詳細にしてその必要性を説明する必要があるが、何らなされていない。

 本マニフェストでは政策がキーワード、短文の羅列になっており、政策的な体系が全くなく、10年後の水田農業をどうするのかという中長期的なビジョンは読み取れず、農業政策におけるガバナンスや責任の所在も不透明である。

マニフェスト評価・農業の一覧に戻る

 

言論NPOについて

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

候補者アンケート「あなたは政治家として何を実現しますか」結果公表

2012年衆議院選挙 立候補者アンケート

現在、政党政治への不信感が募り、有権者がどの政党を選べばよいのか判断できなくなっています。そうした中で、候補者の皆様がどのような課題認識を持ち、いかなる政策に取り組もうとしているのか。1500人の立候補者全員にアンケートを送付し、789名の方からご回答いただきました。その結果を、各選挙区別、比例別(比例単立候補者)に公開いたします。下記の日本地図から、ご自身の選挙区を選択してください。

⇒実施したアンケートはこちら

  北海道
 
        青森  
      秋田 岩手
      山形 宮城
石川 富山 新潟 福島
長崎 佐賀 福岡   山口 島根 鳥取 兵庫 京都 滋賀 福井 長野 群馬 栃木 茨城  
  熊本 大分   広島 岡山 大阪 奈良 岐阜 山梨 埼玉 千葉
  鹿児島 宮崎           和歌山 三重 愛知 静岡 神奈川 東京
          愛媛 香川
沖縄         高知 徳島



比例区のアンケート結果はこちら

100706_00.jpg北海道ブロック / 東北ブロック / 北関東ブロック
南関東ブロック / 東京ブロック / 北陸信越ブロック
東海ブロック / 近畿ブロック / 中国ブロック
四国ブロック / 九州ブロック