2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(民主党・震災復興)

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■形式要件についての評価(15点/40点)  

 民主党のマニフェストでは、「東日本大震災からの復興なくして日本の復興なし」と「福島の再生なくして日本の再生なし」と掲げており、震災からの復興を最優先する姿勢を読み取ることが出来る。また、具体的な目標として「復興の加速」、「原子力災害からの福島の復興及び再生」としている点は評価出来る。
具体的な目標に関しては、「雇用の創出」、「まちづくり」、「高台移転」の促進を挙げ、そのために「復興庁」と「復興特区」、「復興交付金」などの仕組みを強化するとしている。しかし、達成時期と工程が示されておらず、政権党でありながら、復旧作業を終える見通しを示していないのは大幅な減点要因である。なお、数値目標があるのは、「7年以内に全線開通をめざす」という政策目標だけであった。
 福島の復興及び再生に関しては、具体的な施策として除染の徹底、速やかな賠償、中間貯蔵施設の設置、指定廃棄物の処理、などを挙げているが、達成期限、数値目標を設けておらず、進捗がどの程度進むかは不透明である。

 

 

■実質要件についての評価(18点/30点)

 課題の認識について、「復興を加速する」と書かれており、復興の遅れを認識しているのは読み取れる。そのために、「復興庁」、「復興特区」、「復興交付金」などの仕組みを強化と書いてあり、復興事業の体制に問題があるとの認識も妥当である。また、原子力災害からの福島の復興及び再生のために、指定廃棄物処理あるいは中間貯蔵施設に関する課題認識も適切なものである。
 しかし、「復興庁」、「復興特区」、「復興交付金」をどのように強化するのか明記されておらず、「復興庁」、「復興特区」、「復興交付金」などの制度は民主党政権下で創設されたものであり、本当に課題解決に適した仕組みになるのか不透明である。また、中間貯蔵施設と指定廃棄物処理の問題に関しても、関連自治体と協議するとしか書かれておらず、その課題解決までの道筋は見えない。
次に、復興について、10年後、20年後の東北地方のあるべき姿を示していない点は割り引く必要がある。福島に限定すると、地域経済を活性化して雇用を拡大するために、太陽光や風力などの再生可能エネルギー産業や医療関連産業の拠点を創出という記述があるが、東北地域の将来像が見えてこない。
 なお、減災を主眼においた防災対策および被害の大きな自治体への対応に関する視点の欠如は減点要因となった。

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