2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(日本維新の会・市民社会)

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■形式要件についての評価(7点/40点)  

 日本維新の会のマニフェスト「骨太2013-2016」には、国民(あるいは個人)の役割、社会参加やその受け皿となるNPOなどの非営利組織の役割について言及されていない。ただし、「骨太2013-2016」の前身にあたる、「維新八策」には「“自立する個人”、“自立する地域”、“自立する国家”の実現を目指します。自立する地域が、自立する国家を支え、自立する個人を育てます。」と記されており、個人の自立が強調されている。
 しかし、維新の会のいう個人の自立とは、市民社会でのそれではなく、市場経済での自立であり、政府依存からの脱却である。
 「骨太」の基本方針および政策実例は、規制緩和と公共サービスへの市場原理の導入(バウチャー制度の導入)の推進・強化が強調されている。個人は、これらのサービスを消費者として自己責任のもと選択し、コストを負担することが求められる。つまり、日本維新の会の「個人の自立」とは、政府が公共サービスを直接的に国民に提供する仕組みを縮小し、個人は政府依存の状態から自立することをさしているのである。
 しかしながら、国民が主体どなって、地域づくりを担い、相互扶助によって必要なサービスを生み出すような、共助や共生社会についての考え方は何ら記されていない。

 

 

■実質要件についての評価(0点/30点)

 前述のように、日本維新の会のマニフェストは、民間非営利の公共的な役割という視点での個人や非営利組織の役割について言及していない。
 「八策」において、「行政のNPO化」という言葉が記されているが、規制緩和と行政サービスへの市場原理の導入によって、公共サービスの担い手には、行政の他にNPOなどの民間非営利組織が存在していることは認めているのかもしれない。しかしながら、その視点はあくまでも、行政サービスの民活化、民間的な発想を取り入れたサービスの質の改善である。仮に、維新の会が非営利組織の役割について言及するとすれば、行政機能のアウトソーシング先として述べるであろうし、そうした状況下では、非営利組織の行政の下請け化が加速されるであろう。
 以上のように、日本維新の会の政治思想の根幹をなしているのは新自由主義であり、それを軸にした政府、行政機関の規制改革による成長産業の創出である。その視野には、非営利、非政府の組織や市民が担う公共領域は含まれていない。

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