2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(公明党・経済政策)

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■形式要件についての評価(12点/40点)  

 公明党は「日本再建」を掲げ、経済については「力強く伸びる日本経済へ」と題して、「新しい成長戦略で、持続可能な発展を」行うことを理念として掲げている。
また2年以内にデフレを脱却すると同時に、実質2%、名目3~4%程度の経済成長、物価水準も1~2%程度を達成する目標が掲げられている。これらに対する目標年次は明らかにされていないが、その理念を実現するために、日銀による金融政策の抜本的強化と需要創出に取り組むとされている。
 ただ、この金融政策の強化は、目標年次を定めて物価上昇に向けて政府と日銀が一体的な政策を遂行する、とされているが、何を意味しているのかはここでは明示されていない。また、具体的には需要創出として建設国債や地方債、償還財源を確保したうえで発行する「防災・減災ニューディール債」を財源とする「防災・減災ニューディール」の推進が提起されているが、財政再建との連動や整合性が説明されているわけではない。
 また持続的な経済成長としてエネルギー・環境政策の拡充、健康・医療産業の革新、「攻め」の農林水産業の構築、競争力ある中小企業の育成や、文化・観光産業の振興などがあげられている。
しかし、そこで掲げられた個々の政策については具体的な目標設定・数値目標が掲げられているのは訪日外国人観光客ぐらいで、その他は政策の列挙にほかならない。
 エコポイント、住宅エコポイントなどの補助金を軸とした需要策が並んでいるが、成長戦略の具体的な提案はなく、経済連携は強化を示しながらTPPに関する記述も曖昧で、拙速な参加には反対をするものの、交渉参加に賛成か反対か、は明確には読み取れない。

 

 

■実質要件についての評価(20点/30点)

 今後、人口減少や高齢化の影響による構造的な理由から、経済そのものが縮小していくことを予想し、日本の強みである技術力をいかし、グリーン経済への移行を推進すると同時に、災害多発国として今後の防災・減災に向けた施策を施しながら、経済成長も成し遂げようという方向は理解はできるが、需要政策に重点を置いており、経済を再生する道筋が提起されているわけではない。
デフレ脱却に関しては防災や復興需要に基づく公共事業や金融対策で対応する考えだが、これらと財政再建の関連が描かれていない。
 成長は人口・資本装備率・技術革新の3つを足し合わせたものからなっており、これが潜在的な経済成長となるが、それをどう引き上げるのかには明確な言及はなく、供給面の改革が無視されている。国内産業の強化や製造業の再生も提起されているが、言葉だけの羅列であり、政策体系が提起されているわけではない。

 また、政策実行に向けた体づくりなどについては、記載されておらず、政策の実現に向けて指導力や責任を発揮しようという意欲も感じ取れない。

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