2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(自民党・地方分権)

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■形式要件についての評価(19点/40点)  

 自らの発想で特色を持った地方・地域づくりができるよう地方分権を推進するとの理念を示し、早期の道州制基本法の成立を図ることを目標に掲げた。明確に「道州制の導入」を掲げるなど、地方分権に対する理念の一部が提示されている。しかし、道州制基本法の制定後5年以内の道州制導入が示されているが、基本法の成立の年次が具体的に示されておらず、どれだけのペースで実現するかは不透明である。

 また、当面の推進策として、民主党政権から引き続き「義務づけ、枠付けの見直し」、「地方の一般財源確保」、「直轄事業負担金制度の見直し」を掲げるとともに、地方組織の機能強化や地方税財政などにも触れており、一定程度の工程・手段が示されている。

 

 

■実質要件についての評価(28点/30点)

 自民党は、今回のマニフェストで道州制基本法の早期制定と、導入を打ち出した。加えて、地方分権の推進に伴い役割が増す地方議会の諸機能の充実と強化、地方議会議員の職制・職務の半紙を法制化と共に、地方税財政の充実、地方への交付金拡充もすることも打ち出した。自民党が掲げる理念と政策の間に妥当性、連動性はある。

 しかし、評価の視点でも示した通り、本来、地方自治の主役である住民が、地域の経営や将来に責任を持って地方行政に関わっていくのか何ら明らかにしていない。一口に道州制といっても、都道府県を残したまま基礎自治体とあわせて3層にするのか、それとも都道府県を廃止して、基礎自治体と道州の3層にするのかなど、具体的なことについては何ら提示されていない。また、国の地方機関の移譲に代表される国と地方の役割についても何ら触れておらず減点となる。更に、これらを議論し、まとめていくためにどのような組織に担当させるのかなどについて現状わからず、今後の課題である。

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