2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(公明党・震災復興)

  hyouka_2.jpg

■形式要件についての評価(15点/40点)  

 公明党のマニフェストでは、「復興日本、安心の日本へ」と復興からの日本の目指すべき方向性を示している点は評価できる。また、「10年間で100兆円の防災・減災ニューディール」によって、「防災力の強化」だけでなく、「低迷する景気・経済を回復させる」としており、具体的な政策目標と達成時期が明示された。また、防災・減災対策を強化するために「防災・減災体制再構築推進基本法」を制定するとしており、その工程では、まず「推進本部」を設置し、その後「防災・減災体制再構築推進基本計画」を策定、決定し、10年間で防災力の強化に取り組むとしており、実現までの具体的なプロセスが明示されている。
 なお、財源に関して、建設国債や地方債、新たに発行する「防災・減災ニューディール債」、それに加え民間資金も含めて資金を調達するとしているが、これだけ財政が厳しい状況で10年間で100兆円もの額を集めるのは困難であるため、実現可能性に疑問が残った。
 一方で、上記以外の政策には、達成時期、数値目標、財源が記載していないため、これは減点要因となる。

 

 

■実質要件についての評価(20点/30点)

 公明党のマニフェストでは、「がれき処理や高台移転を進める」、「原発事故の収束、除染、廃炉を着実に実行」としており、まだ震災の復旧作業が道半ばであるとの認識は妥当である。しかし、その根本的な問題が復興庁の建てつけにあるとは認識しておらず、その点は割り引かざるを得ない。
次に、減災の考え方に基づき、「防災・減災ニューディール基本法」の制定を公約としている点は評価できるが、そもそも減災の考え方に基づき、ハード対策(防波堤・防潮堤の整備等)とソフト対策(防災訓練、防災教育等)を組み合わせることに、なぜ100兆円も見込んでいるのか不明である。そのために、「防災隣組」や「防災見守り隊」を支援するとしているが、これがどれだけ効果があるのか判断できない。 一方で、被害の大きな自治体への支援、あるいは復興庁を中心とした組織体制の強化には触れられておらず、この点は評価できない。

マニフェスト評価・震災復興の一覧に戻る

 

言論NPOについて

日本のメディアや言論のあり方に疑問を感じた多くの有識者が、日本の主要課題に対して建設的な議論や対案を提案できる新しい非営利のメディア、言論の舞台をつくろうと活動を始めた認定NPO法人です。
⇒詳細はこちら

▼参加したい方はこちら


▼言論NPOのツイートはこちら

▼お問い合わせはこちら

候補者アンケート「あなたは政治家として何を実現しますか」結果公表

2012年衆議院選挙 立候補者アンケート

現在、政党政治への不信感が募り、有権者がどの政党を選べばよいのか判断できなくなっています。そうした中で、候補者の皆様がどのような課題認識を持ち、いかなる政策に取り組もうとしているのか。1500人の立候補者全員にアンケートを送付し、789名の方からご回答いただきました。その結果を、各選挙区別、比例別(比例単立候補者)に公開いたします。下記の日本地図から、ご自身の選挙区を選択してください。

⇒実施したアンケートはこちら

  北海道
 
        青森  
      秋田 岩手
      山形 宮城
石川 富山 新潟 福島
長崎 佐賀 福岡   山口 島根 鳥取 兵庫 京都 滋賀 福井 長野 群馬 栃木 茨城  
  熊本 大分   広島 岡山 大阪 奈良 岐阜 山梨 埼玉 千葉
  鹿児島 宮崎           和歌山 三重 愛知 静岡 神奈川 東京
          愛媛 香川
沖縄         高知 徳島



比例区のアンケート結果はこちら

100706_00.jpg北海道ブロック / 東北ブロック / 北関東ブロック
南関東ブロック / 東京ブロック / 北陸信越ブロック
東海ブロック / 近畿ブロック / 中国ブロック
四国ブロック / 九州ブロック