2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(自民党・財政再建)
■形式要件についての評価(22点/40点)
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自民党の財政健全化は、重点政策集ではなく公約集に掲載されている。財政健全化目標については、①2015年度に国・地方のプライマリー・バランス赤字の対GDP比を2010年度対比で半減 ②2020年度までに同プライマリー・バランス黒字化目標を堅持 ③国・地方の債務残高対GDP比を2020年代の初めには安定的に引き下げる、と政府が掲げている目標で自民党としても掲げている。 |
■実質要件についての評価(17点/30点)
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「民主党政権のバラマキ政策で水膨れした歳出について徹底した削減を行う」としている点は、財政健全化を実現する上で、歳出コントロールが重要との認識を示している点で妥当だが、具体的な歳出削減項目は公務員人件費の2兆円のみであり、歳出拡大の最大の要因となっている社会保障費の効率化や抑制の必要性を財政健全化の中で一切言及していない。また、財源確保策の一環としての3党合意に基づく消費税率引き上げに関しては、その税収の一部を社会保障以外の成長戦略や事前防災に充てるとも読める記述があり、消費税収の使途を全額社会保障に振り向けるとした3党合意を逸脱するものである。また、低所得者対策として、「食料品等への複数税率の導入を検討する」としている点は、消費税収の減少に直結するものであり、財政健全化の観点からはマイナスとなる。 |