2012年衆議院選挙 マニフェスト評価(自民党・経済政策)
■形式要件についての評価(18点/40点)
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自民党マニフェストにおいては、「経済を取り戻す」とのメッセージの下、危機的状況にある経済の再生に取り組むことを強調している。「失われた国民所得50兆円を取り戻す」ことを目標に、「縮小均衡の分配政策」から「成長による富の創出」へ経済政策の転換を図ることを政権の目的として明確に打ち出している。 |
■実質要件についての評価(32点/30点)
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自民党マニフェストにおいては、日本経済の現状認識を危機的状況にあると認識し、その原因を民主党政権による「縮小均衡の分配政策」にあることを示唆しており、こうした再分配政策から決別し、「成長による富の創出」が必要との課題認識は概ね妥当でだと判断する。これらは、自民党の目指すべき自助、自立の社会と連動しているが、格差の拡大に対してどのような認識を持ち、対策を考えているのかは示されておらず、バランスを欠く点は否めない。「デフレ・円高からの脱却を最優先する」との認識は妥当で、金融緩和や為替問題などそれに対応する政策が最上位に掲げられており、党総裁も意識的にその発言を繰り返しているが、日本経済の長期低迷の背景には、デフレ・円高のみならず、少子高齢化、人口減少などの構造問題があり、それをいかに跳ね返して成長するかという視点が弱い。 |