次の選挙で問われる成長戦略とは/第1部:野田政権「日本再生戦略」の評価は?

工藤:こんにちは。言論NPO代表の工藤泰志です。昨日の党首会談で野田さんが16日、つまり明日解散をするということになりまして、一気に総選挙という状況になりました。言論NPOは、この言論スタジオで今度の選挙の準備として有権者にきちんとした政策を考え、選挙の時に自分の意思を表明してもらうための議論を行ってきました。選挙というのは有権者にとって民主主義の中に占める重要なチャンスですから、私は今日もきちんと議論をしてみなさんにできるだけ色々なことを考えていただきたいと思っております。今回は日本の成長戦略についてです。私たちは以前もお話ししたように、アンケートを取った時に今回の選挙の争点は7つもあり、成長戦略は3番目になっていました。今日は、この成長戦略を考えていく上で、なくてはならないという人にゲストに来ていただきました。ゲストのご紹介です。まず法政大学大学院政策創造研究科教授の小峰隆夫さんです。そしてお隣が学習院大学経済学部教授の宮川努さん。最後に、言論NPOでいつもお世話になっておりますが、日本総研調査部長の山田久さんです。

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統治システムの問題点から見る日本の政治

成田憲彦氏(駿河台大学教授) 工藤:成田さん、こんにちは。

成田:こんにちは。よろしくお願い致します。


試行錯誤するも元のモデルに戻った統治手法

工藤:私たちは民主主義という問題に非常にこだわっています。やはり民主主義というのは有権者が代表を選び、選ばれた政治家が有権者の代表として仕事をする。そして、その仕事をした結果、有権者が次の選挙でそれを評価する。そういうサイクルが回るということだと思っているのですが、何かここのところが危うい感じがしています。

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政治の仕組みの問題点を認識し、どのように変えていくのか

岩井奉信氏(日本大学法学部教授)

工藤:岩井さん、どうもこんにちは。まず政治と金の問題を民主党政権はかなり重視していました。まず、その業績評価ということから始めたいのですが、見ているとあまり取り組んでいないように見えるのですが、どうでしょうか。

岩井:そうですね。政治資金規正法の改正は一回もやられていません。意気込みはそれなりにあったのですが、全く手がついていないと言ってもいいですね。

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次の選挙で問われる財政政策とは/第3部:【問われる民主主義】

政党のガバナンスは機能しているのか?

工藤:最後の議論を始めます。これから選挙があった場合、財政再建問題について政治家に、何をきちんと国民に説明してほしいのかということ。逆に言えば、そういうことを説明しない政治家には、票を入れないということを考えないといけないと思います。ただその前に疑問に思っていることがあって、ギリシャもそうだったのですが、民主主義の問題が問われました。いろんな政治家がここまで多くの国民を切り詰めさせなければなりませんでした。サービスにしても、そうしていかないと中々、財政再建が出来ないという状況の時に、政治家よりも実務家で組閣した時もありましたよね。実際に、政治家が国民に本当のことを語っていない。借金がここまでなっていても、まだそれをきちんと大変だよ、とこうしなきゃいけない、という人が現れない政治の構造そのものを、どう考えるのか、お聞きしたいのですが、鈴木さんからお願いします。

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